お知らせお知らせ

新潟県の神社訪問24 阿比多神社

神社訪問

新潟県の神社訪問24
上越市大字長浜
阿比多神社

■上越市長浜に鎮座する阿比多神社の御祭神は、少名彦名命を主祭神とし、菅原道真公、建御名方命、迦具土命、大山祗命の4柱を配神としてお祀りしている。

 創立年代は不詳だが、社伝には国家守護の神として朝廷から崇敬を受け、持統天皇8年(694)の3月に案下の幣帛を賜ったとある。『延喜式』神名帳に記載され頸城郡13座の1座である阿比多神社は、国史大系本などでは「アヒタ」と訓を付けられているが、今日では「アビタ」神社と呼称している。

5ff69342bf138b1eabcd25f34617d182

 かつては、太刀や肖像、鞍馬、和歌など多くの宝物が奉納されていたが、2度に亘る大火によりその多くを焼失。現在所蔵されている宝物は、醍醐天皇の御作で承元3年(1209)に順徳上皇が奉納した菅原道真公の御神像と、春日山城主であった堀秀治が慶長4年(1599)に奉納した神楽笛の2点である。

■国道6号線沿いにある第一の鳥居をくぐり小さな天満橋を渡ると、梅林の中に煉瓦造りの灯籠がある。その先にある約150段の石段を登ると大きな木々に囲まれた社殿が現れる。石段を登る途中、少し休憩して振り返ると、日本海を一望できる景観である。

 宮司は足利佐今氏。昭和20年12月生まれ、現在65歳。毎年2月には地域で神楽の勉強会を行っているが、本年5月からは支部の神青会でも神楽の勉強会が始まり、宮司も参加して研鑽に努めている。

3f6cabe68d86a0212ad4851f64f48831

 4月25日と10月13日が春と秋の例祭で、春秋共に祭典後に神楽が奉納される。例祭と神楽の参拝者は毎年約50人程が集まり、春の神楽では地域の幼稚園からも多くの子供達が見学に訪れる。

 また、毎年6月の末には長浜海岸の海開きが行われ、7月の第一日曜日には七夕祭りが斎行される。七夕祭りでは専用の御神輿が担ぎ出され、子供から大人まで約150名程の行列が、長浜を通る八号線沿いを賑やかに練り歩く。

■平成14年、菅原道真公の千百年祭の折、宝物である菅原道真公の御神像が公開されたが、この御神像は立像で大変珍い。千百年祭に併せて神社の境内、また装飾品などの整備を検討していたところ、お一人の方より大変多くの寄進があった。そのことも含めて回覧板で氏子の方々にお願いしたところ、皆様から積極的なご協力を頂けたとのこと。御社の拝殿には、歴史的な書や絵馬額に併せて、ご協力頂いた皆様の御写真が飾られており、写真の中の笑顔を見ると、地域の皆様が厚い信仰をお持ちであることが良く分かる。

■阿比多神社の運営に関しては、神社運営費や祭典時の玉串料などを神社委員長が管理し、護持運営に当てている。また、神宮大麻暦の頒布については、以前は宮司が一軒一軒を直接訪問して頒布していたが、現在では17あるそれぞれの組から神社委員を選任し、その神社委員がその年の数を取り纏めて頒布を行っている。

 神社の運営や大麻頒布に関し、神社総代があまり交替しないことで、年を重ねる毎により良い環境作りが醸成されているとのこと。

■地元からの崇敬が厚く、多くの崇敬者が参拝に訪れる阿比多神社だが、一つ悩みの種はその立地である。御社の神楽は神楽殿ではなく拝殿で行うため、参拝者には先ず150段の石段が大きく立ちはだかる。御高齢の方や身体の不自由な方のことを考慮すると、神楽だけでも石段の下で奉納することが出来ないか、総代や地域の方々と相談中とのこと。

 以前は、出来るだけ多くの方から御社を参拝して頂く為に、神宮大麻暦の頒布は御社頭のみと決めたことなどがあった。しかし近年では、より気持ちよく御参拝して頂く為にはどんな準備が出来るか、より親しみを持って頂くためには何が出来るかについて、宮司は日々神明に奉仕しながら、地域の方々と共に考えていらっしゃるご様子であった。

(神社庁 神子田)
【平成23年10月1日「庁報新潟」第93号より】
※内容は庁報掲載時のものです。

記事一覧に戻る