お知らせお知らせ

鎮守様と地域の子供たち

エッセイ

シリーズエッセイ10
鎮守様と地域の子供たち
滝澤宇平

1d1a9e275a2a17af7efd9329d5b5466b

 
 学校が夏休みになると、鎮守様の拝殿・社務所・境内は、普段より賑わいが盛んになって来ます。

 平素は朝早くから氏子の朝参りの方々が、敬虔な朝拝に訪れるのみであります。しかし夏休みになりますと、その様子が少々変わってきます。なぜかと言うと、鎮守様の境内などを利用して、いろいろな行事が催されるからです。

 まず子供達を中心にした、朝の六時半から始まるラジオ体操が、幼児から老人も仲間に入って、健康維持のために毎日行われています。

 さらには、鎮守様近隣の自治町内会のレクリエーションとして、境内地内でキャンプや花火大会、町民納涼大会などが開かれます。午後3時頃からは秋祭り(9月17日・18日)に行う行事に参加するために、小中学生が拝殿に集まって笛や太鼓の稽古を、神官を師匠として懸命に行っています。

 夜は拝殿や社務所で木遣り保存会の会員や、町民の有志が集まり、木遣り音頭と笛・太鼓の稽古に励んでおります。

 この様なことで夏休みの期間中鎮守様は賑わいをみせております。

 また八月最後の日曜日には、神明宮近隣の町民総出で境内の草取りや清掃奉仕に汗を流し、秋祭りを迎える準備にとりかかります。鎮守様と地域住民の心のつながり、活力のあるまちづくりの源泉は、こんなとこから自然と創出されるものと思っております。

 子供たちの夏休みも終わって二学期の学習が始まります。昨今の社会現象を考えてみると、日本人の心に潤いとゆとりがなくなり殺伐とした事件が頻発しており、日本に心の砂漠化が広がりつつあると憂えるものであります。さらにアノミー(無規範)行動が社会の公序良俗を乱して、子供たちの生活にまでも大きな影響を及ぼしておるのではないでしょうか。

 その一は「引きこもり」「いじめ」「登校拒否」といった社会的にも顕著な青少年問題、今一つは「国語力の低下」によるコミュニケーションの能力、論理的な思考、豊かな情緒の欠如といった、より資質的な問題が挙げられると思います。

 7月22日には浅野温子さんの語り舞台「日本神話への誘い」が行われました。日本人の心を呼び起こす幻想的で迫力あるその公演を、今思い起こしております。こんなに立派な歴史と伝統のある日本の国と大和民族が、なぜこんな混乱した世相を生じさせてしまったのかと考えるとき、私たち神道にかかわる者として大きな責任を感じざるを得ません。

 頭で解ってから「やる」でなく、やってから「わかる」の学び方の輪を広げるとともに実践しなければ、日本の再生はないと言わざるを得ません。未来を託す子供たちの幸せを祈って。

(新潟市神社総代会長・神明宮責任役員)
【平成17年10月1日「庁報新潟」第75号より】
※内容は庁報掲載時のものです。

記事一覧に戻る